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PDCAの回し方|結果を出す人がやっている習慣
正直に言うと、PDCAという言葉に少し気恥ずかしさがある。もとは製造業の品質管理から広まった枠組みで(デミング氏らの名とともに語られることが多い)、いまや「PDCAはもう古い」という記事のほうが多いくらいだ。それでもこの古い道具について書くのは、私がこの単純な輪っかを、二重に回せていなかったからだ。
一度目の失敗は、Pで止まること。完璧な計画を作り込んで満足し、実行が続かない。二度目の失敗は、Cを飛ばすこと。やりっぱなしで振り返らず、同じ失敗を新鮮な顔で繰り返す。計画倒れと、やりっぱなし。PDCAが回らない理由は、世界中でたぶんこの2つしかない。
失敗1への処方箋:Pは「不安になるくらい小さく」
計画で止まる人(私だ)の共通点は、計画に安心を求めていることだと思う。計画を精緻にしている間は、失敗していない。だから計画がどんどん立派になり、実行の腰がどんどん重くなる。
効いたのは、計画を「これで大丈夫か?」と不安になるサイズまで削ることだった。半年の改善計画ではなく、今週の実験ひとつ。資料10ページではなく、箇条書き3行。PDCAのPは設計図ではなく、仮の見立てでいい——このあたりの考え方は仮説思考の話とそのまま地続きだ。小さい計画は失敗しても軽傷で済むので、次の周回が速くなる。輪っかは、大きさより回転数だった。
失敗2への処方箋:Cは意志ではなく「予定」にする
振り返りが続かないのは、意志が弱いからではない。予定に入っていないからだ。実行(D)には締切があるのに、チェック(C)には締切がない。締切のないタスクは、この世に存在しないのと同じ扱いを受ける。
私の運用は、金曜の帰り際に15分、「今週の実験どうだった会議」をカレンダーに固定するだけ。議題は3つで足りる。うまくいったこと・いかなかったこと・来週ひとつ変えること。手帳好きの私はここで凝ったフォーマットを何種類も作ったが、続いたのは一番簡素なこの3行だけだった。振り返りの敵は怠惰ではなく、様式の重さである。
失敗3(隠れボス):Aで「ぜんぶ変えたくなる」問題
振り返りができるようになると、次の罠が待っている。改善点が10個見つかり、10個ぜんぶ変えようとして、何が効いたのか分からなくなる——Aの欲張りだ。
料理の味見と同じで、一度に変える調味料はひとつがいい。来週変えるのはひとつだけ、と決めてから、私のPDCAはやっと「回っている」実感が出た。変化がひとつなら、結果との因果が読める。因果が読めると、振り返りが面白くなる。面白くなると、続く。習慣化の正体は、根性ではなくこの好循環のほうだと思う。
「PDCAは古い」への私見
OODAだのアジャイルだの、新しい輪っかはいろいろある。それぞれに良さがあるのだろうが、私の実感を言えば、Pで止まる人はどの輪っかを持っても止まる。道具の新旧より、「小さく賭けて、日付を決めて振り返り、ひとつだけ変える」という筋肉のほうが本体で、その筋トレの器具としてはPDCAで十分すぎる。古い道具は、枯れているぶん説明が要らないという利点もある。
今日ひとつだけやるなら
来週金曜の夕方に15分、「振り返り」という予定をカレンダーに入れてみてほしい。中身はまだ考えなくていい。Cに日付を与えること——PDCAが回り始める瞬間を、私はそれ以外に知らない。
そのPが毎回大きすぎて折れる人は目標設定の技術を、振り返る時間がそもそも取れない人はタイムマネジメントを先に。
文・kyon(project転職編集部) 手帳とToDo管理が趣味なのに寝坊する、仕事術の実験台。できる人の自慢より、できなかった日の保険になる話を書いています。
最終更新:2026年7月5日
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