転職コラム 中森 監修 平野 更新 2026-07-05
目次
  1. 第5位:『エリン・ブロコビッチ』(2000・スティーブン・ソダーバーグ監督)
  2. 第4位:『マイ・インターン』(2015・ナンシー・マイヤーズ監督)
  3. 第3位:『幸せのちから』(2006)
  4. 第2位:『ジェリー・マグワイア』(1996・キャメロン・クロウ監督)
  5. 第1位:『プラダを着た悪魔』(2006)
  6. 今夜観るなら

働く人の洋画ベスト5|1位に『プラダを着た悪魔』を選んだ理由

深夜のオフィスで男が解雇を告げられ、段ボール箱に私物を詰めながら、それでも電話をかけ続ける場面がある。取引先を、一件も失わないために。1996年の映画のワンシーンだ。解雇の場面なのに、あれはわたしにとって「働く人の尊厳」の画として記憶されている。

洋画編も5本。基準は邦画編と同じで、効能ではなく惚れた場面があるかどうか。核心のネタバレは避けるけれど、まっさら派の人は作品名だけ持って帰ってください。

第5位:『エリン・ブロコビッチ』(2000・スティーブン・ソダーバーグ監督)

学歴なし、職歴ぼろぼろ、子ども3人。面接で落ち続けた女性が、押しかけ同然で法律事務所の職を得て、誰も気に留めなかった書類の違和感から巨大な事件を掘り当てる実話ベースの物語。「履歴書に書けない能力」が実在することの証明のような映画だ。彼女が名刺も肩書きもないまま、家庭を回る聞き取りで住民の信頼を集めていく場面の積み重ねがいい。

第4位:『マイ・インターン』(2015・ナンシー・マイヤーズ監督)

70歳の男性が、若い女性CEOの会社にシニア・インターンとして入る。この映画の彼は、経験を振りかざさない。頼まれるまで動かず、頼まれたら完璧にやる。誰も片付けない散らかったデスクを黙って片付ける場面があって、あれは「新しい職場での信頼の積み方」の教科書だと思う。年齢と転職の話としても、静かに勇気が出る一本。

第3位:『幸せのちから』(2006)

住む場所を失いながら、無給の研修生として証券会社の椅子を目指す父親の実話。ウィル・スミス演じる主人公が、限られた時間で電話をかけ続けるために受話器を置かない工夫をする場面がある——絶望の中で工夫をやめない人の描写として、わたしはあの場面を何度も思い出す。「頑張れば報われる」と安易に言わない作りなのに、観終わると頑張りたくなる。不思議な映画だ。

第2位:『ジェリー・マグワイア』(1996・キャメロン・クロウ監督)

冒頭に書いた、段ボール箱の映画。スポーツエージェントの主人公が、業界の金儲け主義に疑問を呈する提案書を書いた夜から、キャリアが音を立てて崩れていく。「正しいことを言うと、会社を追われることがある」という現実と、それでもついてきてくれた、たった一人の同僚と一人の顧客との再起の物語。転職や独立を考えたことのある人なら、あの箱の重さが分かるはず。

第1位:『プラダを着た悪魔』(2006)

1位は迷いに迷って、結局この定番に戻ってきた。ファッション誌の鬼編集長の下で働く新人アシスタントの話——として有名だけれど、この映画の本体は後半にある。仕事ができるようになるほど、「なりたくなかった自分」に近づいていくという恐怖。ここから先は観た人だけ読んでほしいのだけれど、彼女が最後に選ぶものは、昇進でも復讐でもない。

キャリア映画の顔をした、「何を選ばないか」の映画。何度目かの鑑賞でそれに気づいてから、わたしの中で順位が上がり続けて、とうとう1位になった。

今夜観るなら

転職を迷っている夜は『プラダを着た悪魔』を。うまくいかない時期の夜は『幸せのちから』を——ただし体力のある夜に(心が揺さぶられるので)。軽やかに元気が欲しい夜は『マイ・インターン』が一番やさしい。邦画編はこちらへ。

作品をもっと広く見比べたいときは、特集仕事・働くをテーマにした映画15選に一覧があります。ここはその中から5本に絞って、順位と理由まで書いた回です。


文・mina(project転職編集部) 働く人が出てくる映画・ドラマ・本ばかり観ている。パンフレットは必ず買う派で、ネタバレには世界一慎重。「今夜観る一本」を選ぶお手伝いをします。

最終更新:2026年7月5日

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