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有休消化中にやりたいことランキング
まず数字の話をさせてほしい。厚生労働省の就労条件総合調査(令和7年)によると、労働者の有休取得は年12.1日・取得率66.9%。これは昭和59年以降で最多だ。日本人は有休を取らない、という定番の嘆きは、データの上では少しずつ古くなっている。
ただ、この数字には裏がある。産業別に見ると、取得率トップの電気・ガス・熱供給・水道業が75.2%なのに対し、宿泊業・飲食サービス業は50.7%。つまり「取れるようになった」の中身は業界でかなり違っていて、まとまった有休が「退職時の消化」でようやく回ってくる人も、まだ大勢いる。
というわけで今日の本題は、その人生でまれにしか来ない「まとまった有休」を何に使うかだ。ここから先に統計はない。転職前の有休消化を経験した人たちの話を聞いてきた僕の、主観によるランキングである。異論は歓迎、むしろ聞かせてほしい。
第5位:平日の「がら空きの世界」を見に行く
平日昼の映画館、遊園地、ラーメンの行列店、役所、銀行。働いている間は必ず混んでいた場所が、平日の昼はぜんぶ空いている。 この「がら空きの世界」の目撃は、有休消化の名物体験としてよく語られる。
おすすめは、通勤で毎日通り過ぎていた場所に、あえて昼に行くことだ。世界は自分の勤務時間の外でも回っていた、というあたりまえの発見が、次の職場に行く前の視野をすこし広くしてくれる。
第4位:健康の総点検(歯医者・健診・人間ドック)
夢がないと言われそうだが、聞いた話の中で「やってよかった」の打率が一番高かったのはこれだ。在職中に行けなかった歯医者の治療を完走する。 気になっていた検査を受ける。
理由は単純で、治療は「平日に複数回通う」ことを要求してくるからだ。まとまった平日休みは、体のメンテナンスにとって構造的なボーナスタイムである。次の職場で初日から全力を出すための、一番地味で一番確実な投資だと思う。
第3位:どこかへ行く(ただし「オフシーズンの平日」という最強カード付き)
旅行はまあ、定番だ。ただ有休消化の旅行には、普通の旅行にない武器がある。日程の完全な自由だ。土日縛りがないので、飛行機も宿も安い側を選べるし、混雑のピークを全部外せる。
働いている限り二度と使えないかもしれないカードなので、行くなら「土日には行けなかった行き方」を選ぶのが、このカードの正しい切り方だと思う。
第2位:なにもしない日を、罪悪感なしで置く
意外に難易度が高いのがこれだ。長く働いた人ほど、「何もしない」に罪悪感を覚える体になっている。昼まで寝て、散歩して、終わり。その日の夜に「今日を無駄にした」と感じたら、それは疲れが深い証拠でもある。
転職の間の有休は、心身の在庫を補充する期間でもある(入社前の過ごし方の記事では「休む7割」を提案した)。なにもしない日は、無駄ではなく補給だ。堂々と置いてほしい。
第1位:「平日の家族・友人」に会いに行く
1位はこれにした。平日休みの友人、日中の親、子どもの平日の学校行事、営業時間内にしか会えない人たち。自分が平日の昼に働いていたせいで、ずっと会えていなかった人に会う。
聞いた話の中で、一番いい顔で語られたのがこの類いだった。「平日に親と昼飯を食っただけなんですけどね」と言ったその人の顔が、このランキングの1位の根拠のすべてである。
数えられなかったものたち
「資格の勉強」「引っ越し」「積みゲーの消化」「ジム通い」——どれも票はあったが、順位にせず選外に置いた。有休の使い方に正解はなく、このランキングも僕の主観にすぎない。ただひとつだけ、数字に戻って締めたい。取得率66.9%ということは、まだ3割強の有休が使われずに消えている。あなたのその日数が、どうか誰かの決めた優先順位ではなく、あなたの好きなことに使われますように。
退職時の有休消化でもめないための段取りは退職手続き・マナーの記事に、辞めると決めてからの伝え方は退職理由の伝え方にある。
文・osamu(project転職編集部) 数える前に、まず現場の人の話をひとつ聞くのがルール。ランキングは競わせるためじゃなく、知らない仕事を近くに感じるために作っている。燃料は銭湯のコーヒー牛乳。
出典
※ランキング部分は調査データではなく筆者の主観です。
最終更新:2026年7月5日
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