クリエイティブの仕事を描いた映画・ドラマ・アニメ15選
「クリエイティブな仕事」と聞くと、才能のある人が好きなことを楽しそうにやっている——そんな華やかなイメージを持つ人が多いと思います。
でも、実際にものをつくって食べている人ほど知っているはずです。仕事のほとんどは、ひらめきの瞬間ではないことを。締切の前夜、自分の企画がなぜか刺さらないとき。天才を横目に、自分の凡庸さと向き合うとき。「これでいいのか」と、何度も塗り直すとき。
つくる仕事の芯は、「ひらめき」ではなく「終わらせる力と、評価に晒され続ける胆力」なんですよね。だからこの15本は、才能のきらめきではなく、それでも続ける人の背中で選びました。基準は「つくる仕事で働く人に刺さるか」だけです。
ネタバレを避けた作品カードと、"働く目線"の一言で紹介します。まずは、チームでものをつくる制作現場の8本から。
この記事の要点
- 収録は映画・ドラマ・アニメ15本。制作現場もの/表現に賭ける個人もの、両方から
- 各作品はネタバレを避けた作品カードで紹介
- 「才能」より「続けること」を描く作品が多いのが、この職種の特徴
並びは 「つくる仕事にどれだけ刺さるか」 で選定(ヒット順ではありません)。
制作現場を描く
チームでものをつくる仕事の、熱と混乱と達成感。
SHIROBAKO
アニメ ・ 2014アニメ制作会社で働く若者たち。進行管理、作画、演出、声優——立場も役割もばらばらな彼女たちが、それぞれの現場で奮闘しながら、一本のアニメを完成させ、世に送り出すまでを描く。華やかに見える仕事の裏にある、膨大な手作業と連携と、締切との戦いを、愛情こめて映し出す。
▶ものづくりは、一人の天才の仕事じゃない。たくさんの人の手が連携して、ようやく一本が世に出る。その当たり前の尊さに、じんときます。
重版出来!
ドラマ ・ 2016柔道でオリンピックを目指していた新人が、ケガを機に漫画編集部へ。まっすぐで元気な彼女の目を通して、一冊の漫画が世に出て、増刷(重版)がかかるまでを描く。作家、編集者、営業、書店員——本を届けるすべての人の仕事に光を当てた、働くことへの愛にあふれた物語。
▶一冊の本の裏に、どれだけの人の仕事があるか。自分の役割を「地味だ」と思っている人ほど、その手が誰かに届いていると気づかされます。
バクマン。
アニメ ・ 2010絵の才能を持つ少年と、物語をつくる相棒。二人が、週刊少年誌での連載とアニメ化を目指して、漫画家の道を歩んでいく。持ち込み、連載会議、アンケート順位に一喜一憂する日々。夢の裏にある競争と消耗を、少年漫画らしい熱さで描いた、"プロになる"物語。
▶夢の裏側は、順位との戦いと消耗の連続。それでも描き続ける姿に、「好きを仕事にする」ことの光と影の両方を見せられます。
バクマン。(実写)
映画 ・ 2015絵の才能を持つ高校生と、物語をつくる相棒。二人が、週刊少年誌での連載を目指して漫画家の道に飛び込んでいく。持ち込み、担当編集との駆け引き、ライバルとの競争、そして締切。夢の裏側にある「実務」と、青春の熱をぎゅっと凝縮して描いた、人気漫画の実写版。
▶夢を追う話なのに、描かれるのは驚くほど地道な実務ばかり。「好き」だけでは足りない、その現実こそが、いちばん胸に響きます。
映像研には手を出すな!
アニメ ・ 2020アニメをつくりたい高校生3人が、部活としてアニメ制作に挑む。空想の世界を全力で描きたい者、それを形にする技術を持つ者、そして予算とスケジュールを管理する者。「つくりたい」情熱と「食べていく」現実を、同じ熱量で描く、創作と商売のあいだの物語。
▶「つくりたい」と「食べていく」を、どちらも本気で描くのがいいんです。理想だけでは形にならないと知っている人ほど、刺さります。
NEW GAME!
アニメ ・ 2016憧れだったゲーム会社に、新卒で飛び込んだ少女。あこがれのクリエイターが先輩として隣に座り、キャラクターデザインの現場で、右も左も分からないところから仕事を覚えていく。締切、修正、先輩たちとのやりとり——「好き」を仕事にした毎日の、地に足のついた成長物語。
▶憧れの職場に入ってからが、本当のスタート。締切と品質に追われる日常を、それでも楽しめる。その温度が、なんだか元気をくれます。
校閲ガール
ドラマ ・ 2016派手なファッション誌の編集者に憧れて入社したのに、配属されたのは地味な「校閲部」。文字の間違いをひたすら探す仕事に、最初は不満たらたらの主人公。けれど、原稿と真剣に向き合ううちに、彼女はこの縁の下の仕事の奥深さと面白さに、少しずつ気づいていく。
▶希望と違う場所に配属されても、腐らずに向き合えば、その仕事なりの面白さが見えてくる。配属ガチャに落ち込んだ夜に効く一本です。
マッドメン
ドラマ ・ 20071960年代、ニューヨークのマディソン街。広告代理店を舞台に、才能あるクリエイティブ・ディレクターの栄光と、その裏で崩れていく私生活を、長い年月をかけて描く。時代の熱と欲望のなかで、仕事で成功しても満たされない男の空白を、シニカルに、しかし深く見つめる大人のドラマ。
▶仕事で成功しても、埋まらない空白がある。それを直視させてくるのが、この作品のこわいところであり、誠実なところなんですよね。
表現に人生を賭ける
チームでなく、一人の表現者としての苦しさと歓び。
セッション
映画 ・ 2014名門音楽学校に入った、プロのジャズドラマーを夢見る青年。指導するのは、完璧を求めて容赦なく罵声を浴びせる伝説の鬼教師。称賛と否定のあいだで、青年の心と体は少しずつ追い詰められていく。才能を伸ばす「指導」と「暴力」の境目はどこにあるのかを問う、緊張感の連続。
▶上達のためなら、どこまでの厳しさが許されるのか。指導する側にもされる側にも、ずっと喉に刺さって抜けない問いを残していきます。
はじまりのうた
映画 ・ 2013恋人にも仕事にも見放されかけた、落ち目の音楽プロデューサー。ある夜、場末のライブバーで一人の女性の弾き語りに出会い、彼女とアルバムをつくろうと動き出す。レコーディングスタジオの代わりに選んだのは、ニューヨークの街角。つくることが、二人を少しずつ立て直していく物語。
▶どん底にいても、何かをつくり始めた瞬間に、人はもう一度動き出せる。創作の持つ「立て直す力」を、そっと信じさせてくれます。
カメラを止めるな!
映画 ・ 2017山奥の廃墟で、自主映画のゾンビものを撮影していたクルー。そこに本物のゾンビが現れ……という、よくあるB級ホラーかと思いきや、物語は思いもよらない構造で二度目の顔を見せる。低予算の撮影現場の混乱と情熱そのものが、まるごと感動に変わっていく仕掛けが光る一本。
▶現場のトラブルや段取りの狂いが、最後にぜんぶ愛おしく見えてくる。つくる仕事の「うまくいかなさ」ごと肯定してくれる、稀有な一本なんです。
ブルーピリオド
アニメ ・ 2021成績優秀で世渡り上手、でもどこか空っぽだった高校生が、一枚の絵に心を撃ち抜かれる。そこから彼は、美術大学の受験という狭き門に、人生を賭けて挑んでいく。「好き」を仕事にすると決める重さと、才能ある者たちの中で足掻く苦しさを、生々しく描き出す青春物語。
▶「好き」を進路に選ぶことの重さ。安全な道を捨てて何かに賭けた経験がある人には、この必死さが、静かに響くはずです。
左ききのエレン
ドラマ ・ 2019広告代理店で働く、そこそこ優秀だけれど「天才」にはなれなかったデザイナー。かたや、圧倒的な才能を持ちながら、その重さに苦しむアーティスト。対照的な二人の人生が交差しながら、「才能とは何か」「二番手として、どう働き、どう生きるのか」を問いかけていく。
▶天才になれなかった側の焦りと矜持。きらめく才能の隣で働いたことがある人には、この痛みが、たぶん自分のことに思えます。
デザイナー渋井直人の休日
ドラマ ・ 2019おしゃれにこだわりを持つ、52歳の独身グラフィックデザイナー。休日になると、決めた格好で街に繰り出し、若い女性との出会いを夢見ては空回りする。こじらせた自意識と、見栄と、どこか憎めないかわいげ。中年クリエイターの日常を、くすっと笑えるユーモアで切り取る。
▶ベテランになっても消えない自意識と見栄。かっこ悪いはずなのに、笑いながらどこか肯定してしまう。働く大人の"かわいげ"の話です。
プラダを着た悪魔
映画 ・ 2006ジャーナリスト志望の新人が、なぜか一流ファッション誌の鬼編集長の第二アシスタントに採用される。ファッションに興味もないまま、無理難題の連続に振り回されるうち、彼女は少しずつ仕事に呑まれ、変わっていく。華やかな業界の裏側で、「何のために働き、何を手放さないのか」を問う物語。
▶「何を選ぶか」より「何を選ばないか」で、その人の働き方が決まる。仕事に呑まれかけた経験がある人ほど、彼女の選択が他人事に思えないはずです。
つくる仕事で、働き方を考え直したら
創作の現場は、待遇や働き方の悩みも生まれやすい場所です。「もっと自分の表現に集中したい」「今の現場で成長できるか不安」——気持ちが動いたら、クリエイティブ職の転職事情をのぞいてみてください。
担当者との相性はありますが、それを踏まえても多くの人にとってエージェントは選択肢を広げる手段になります。
よくある質問
なぜポスターや場面写真を載せないの?
ランキングの順番の基準は?
まとめ
- クリエイティブの仕事のリアル(創作の高揚・締切・評価される怖さ)を映す15本
- 制作現場もの8本+表現に賭ける個人もの7本。“働く目線の一言”付き
- 気持ちが動いたら、クリエイティブ職の転職情報を軽くのぞくのもいい
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