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看護師が読みたい小説ランキング|医療・看取りもの
医療小説には、他のジャンルにない特徴があります。書いている人の多くが、現場にいた人だということ。今回の5冊はすべて、医師として働いた経験を持つ作家の手によるものです。だから細部が痛いほど正確で、だから救いの置き方が安易じゃない。夜勤明けにも読める順で、とは言えないラインナップですが、5冊選びました。
第5位:『泣くな研修医』中山祐次郎(2019)
現役外科医が書いた、何もできない研修医の物語。職種は違っても、「資格を取った日と、仕事ができるようになる日は違う」という新人時代の痛みは共通です。シリーズで主人公が育っていくので、新人指導の季節に読み返す人も多いはず。
第4位:『ディア・ペイシェント』南杏子(2018)
理不尽な要求を繰り返す患者と、疲弊していく医療者。「患者に誠実であること」と「自分を守ること」の間という、現場のいちばん生々しい問題に正面から踏み込んだ一冊です。読んでいてつらい場面もあるぶん、着地の誠実さが効きます。
第3位:『神様のカルテ』夏川草介(2009)
映画版を先に挙げましたが、原作の魅力は文体そのもの。地方病院の激務の合間に、夏目漱石を愛する内科医の独白がゆっくり流れる。忙しさの中の品位というか、消耗の物語なのに読後が温かいのは、この文体の力です。医療小説の入り口としても。
第2位:『いのちの停車場』南杏子(2020)
大学病院を離れ、在宅医療の世界へ移った医師の物語。病院の外にあるケア——生活の場での医療、家族、その人らしい最期——を、症例の連作として描きます。訪問看護や在宅への転職を考えたことのある人には、進路の解像度が一段上がる読書になるはずです。
第1位:『サイレント・ブレス』南杏子(2016)
1位を南杏子さんの3冊から選ぶことになるとは思いませんでした。デビュー作であるこの本にしたのは、「治すことがゴールでなくなったとき、医療に何ができるか」という看取りの問いを、いちばん濃く、いちばん静かに書いているから。終末期医療に携わる人はもちろん、「治す医療」の側にいる人にこそ、視界が変わる一冊だと思います。
今夜読むなら
疲れた夜は『神様のカルテ』の温かさを。仕事との距離を考えたい週末は『サイレント・ブレス』を、時間に余裕をもって。仕事を描いた小説をもっと読みたい人は仕事に効く経済小説ランキングへ。
文・mina(project転職編集部) 働く人が出てくる映画・ドラマ・本ばかり観ている。パンフレットは必ず買う派で、ネタバレには世界一慎重。「今夜観る一本」を選ぶお手伝いをします。
最終更新:2026年7月5日
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